08/12/03 第1回医療機器の流通改善に関する懇談会議事録 第1回医療機器の流通改善に関する懇談会議事録  日時:平成20年12月3日(水)13:00〜15:33  場所:グランドアーク半蔵門3階 「華の間」 (照会先)医政局経済課 櫻井、矢作   03-5253-1111(2536) ○樋口経済課長補佐  それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまから第1回医療機器の流通改善に関す る懇談会を開催いたします。  開会に当たりまして、外口医政局長からご挨拶を申し上げます。 ○外口医政局長  医政局長の外口でございます。会議に先立ちまして一言ご挨拶を申し上げます。  本日は、お忙しいところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。  また、委員の皆様方におかれましては、日ごろより厚生労働行政にご理解、ご協力をい ただいております。改めて厚く御礼申し上げます。  さて、私が改めて申し上げるまでもありませんが、医療機器は国民の保険医療水準の維 持向上のために不可欠なものとして、非常に重要な使命を担っております。その中でも特 に「特定保険医療材料」については、市場における自由・公正な競争の確保が求められる 一方で、公的保険制度下で取り扱われる生命関連商品として、その取引に当たって、安定 供給や品質管理の確保に加えて、高い倫理性や透明性・公平性が求められております。  こうした中で、医療機器卸売業者及び医療機器製造販売業者数社に対して、本年2月か ら3月に公正取引委員会が排除措置命令を行う等、公正な取引という観点からの問題が指 摘されております。  また、平成17年12月の公正取引委員会の調査報告書においては、ペースメーカー及びP TCAカテーテルの内外価格差の要因の一部として、「流通」、「手術への立会い及び在 庫管理委託に要する費用」等が指摘されました。  さらに、中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会におけるここ数年の審議経過の 中でも、依然として内外価格差は存在しており、我が国特有の流通システムや審査期間等 が材料価格に与える影響の把握等を踏まえ、医療材料業界から引き続き意見聴取を行い、 適正な内外価格差の範囲や内外価格差の是正に向けた取組等において検討を行うこととさ れたところであります。  また、薬事法の改正により、医療機器の市販後の安全対策の充実のためトレーサビリテ ィの強化が求められる等、昨今、医療機器の流通に関しては様々な状況の変化が見られま す。  この懇談会は、こうした状況を踏まえて、医療機器の流通過程の現状を分析し、公的医 療保険制度のもとでの不適切な取引慣行の是正等について検討を行うことによりまして、 医療機器に対する国民の期待に応えるべく、今後の流通改善の方策を検討するために開催 するものであります。  この懇談会にご参集いただきました皆様方におかれましては、国民の期待に応えるべく、 医療機器の流通の当事者としての現状認識を踏まえ、流通改善に向けた率直かつ前向きな ご議論を賜りますようお願い申し上げます。  どうぞよろしくお願いいたします。 ○樋口経済課長補佐  医政局長は、本日、所用により途中退席させていただきますので、予めご了承いただけ ればと思います。  それでは、議事に入ります前に、本懇談会のメンバーとしてご参集の方々をご紹介申し 上げたいと思います。  申し遅れましが、私、事務局を担当しております経済課の課長補佐の樋口でございます。 よろしくお願いします。  皆様方には五十音順にお座りいただいておりますので、順にご紹介させていただきます。  まず、医療機器業公正取引協議会常任運営委員会副委員長の青柳寛一様でございます。  続きまして、日本医療機器販売業協会理事、浅若博敬様でございます。  日本医師会常任理事、飯沼雅朗様でございます。  日本歯科医師会常務理事、稲垣明弘様でございます。  日本医療機器販売業協会理事、梅澤悟様でございます。  日本医療法人協会副会長、大塚量様でございます。  続きまして、在日米国商工会議所からは、委員として加藤幸輔様にご出席いただくこと としておりましたが、本日は所用のためにご欠席とのことで、代理として医療機器・IV D小委員会副委員長の田村誠様にご出席いただいております。  日本病院会理事、崎原宏様でございます。  慶応義塾大学名誉教授であり、財団法人医療科学研究所所長でいらっしゃいます嶋口充 輝様でございます。  全国自治体病院協議会副会長、末永裕之様でございます。  欧州ビジネス協会医療機器委員会診療報酬小委員会委員長、杉山純男様でございます。  日本医療機器販売業協会副会長、田中凡實様でございます。  全日本病院協会常任理事、中村康彦様でございます。  産業医科大学医学部公衆衛生学教室教授、松田晋哉様でございます。  日本画像医療システム工業会流通近代化委員会副委員長、南三紀夫様でございます。  青山学院大学経営学部教授、三村優美子様でございます。  日本歯科用品商協同組合連合会專務理事、宮内啓友様でございます。  国立国際医療センター戸山病院手術部主任、目黒勉様でございます。  日本医療機器販売業協会会長、諸平秀樹様でございます。  日本歯科商工協会医機連関連小委員会委員、由田文作様でございます。  日本医療器材工業会副会長、吉田安幸様でございます。  本日は、東京女子医科大学教授の上塚芳郎様にも本懇談会のメンバーとしてご参集いた だくことになっておりましたが、所用によりご欠席であることをご連絡いたします。  続きまして、事務局をメインテーブルのみご紹介させていただきます。  冒頭ご挨拶を申し上げました医政局長の外口でございます。  医政局経済課長の木下でございます。  首席流通指導官の五十嵐でございます。  流通指導官の櫻井でございます。  流通指導官の恩田でございます。  流通指導官の矢作でございます。  次に、本懇談会の座長につきまして、お諮りいたしたいと思います。本懇談会の座長に は、流通システムやマーケティングを専門とされておりまして、医療用医薬品の流通改善 に関する懇談会でも座長を務められ、医療用医薬品や医療機器の流通問題について造詣の 深い、嶋口慶応義塾大学名誉教授にお願いしたいと存じます。  また、座長代理といたしまして、嶋口名誉教授とともに医療用医薬品や医療機器の流通 問題に関するご研究を重ね、本問題に造詣の深い三村教授にお願いしたいと存じます。  ご異論ございませんでしょうか。 〔賛成者拍手〕 ○樋口経済課長補佐  それでは、嶋口座長には座長席にお移りいただきまして、一言ご挨拶をお願いいたし ます。 〔嶋口座長挨拶〕 ○嶋口座長  ご紹介いただきました嶋口でございます。大変重要な懇談会でございますが、ご指名 でございますので、しっかり座長を務めさせていただきたいと思います。なかなか難し い問題がたくさんあるようでございますが、皆様方のご協力をぜひよろしくお願いした いと思います。  今日は大変多くの議題というよりも報告があるので、早速、これから議題に入ってい きたいと思います。  具体的な議事に入る前に、本懇談会の議事や資料の公開等について、事務局より一言, ご説明願いたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○樋口経済課長補佐  それでは、本懇談会の議事、資料の公開等でございます。本懇談会につきましては、 傍聴者も入っていただき、公開で行いたいと思っております。議事録につきましては、 事務局でまとめたものをご出席いただいた方々に確認をいただいた後、厚生労働省のホ ームページで公表するという形をとりたいと思いますので、ご了解いただきますよう、 よろしくお願い申し上げます。  また、懇談会の運営を効率的なものにするという趣旨から、各メーカー、卸,医療機 関等流通当事者から当懇談会に資料をご提出いただく際などに、関係者同士でそのため の準備をしていただきたいと考えております。こうした準備作業につきましては、懇談 会のための準備作業でありまして、それぞれの当事者の機密情報に当たることも加味し ながら作業を行っていただく必要がございますので、これについては非公開とさせてい ただきたいと思います。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。議事次第と座席図、本日の懇 談会の名簿、それから、資料番号が右上に振ってありますけれども、資料1、「医療機 器の流通改善に関する懇談会」の趣旨について。これには別添1と別添2という資料が ついております。また、資料2、医療機器流通の特徴について、資料3、「医療機器の 流通実態に関する調査報告書」、資料4、「厚生労働科学特別研究事業」の研究報告書 をお手元に配布しておりますので、ご確認いただければと思います。  それでは、以降の議事進行につきましては、嶋口座長にお願いしたいと思います。よ ろしくお願いいたします。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それでは、本日の議題に入りたいと思います。  ただいま事務局からご説明いただきましたように、基本的にここは公開の場でござい ますので、後ろのほうにいろいろな方々にお見えいただいておりますけれども、よろし くお願いいたします。  それから、作業部会については、作業の中途のいろいろな話があると思いますので、 それは非公開になりますが、よろしくお願いします。  それから、4つの資料が既に準備されておりますが、これについて今日は中心的にデ ィスカッションしていきたいと思っております。  第1回目でありますので、この懇談会の設置の趣旨などについて事務局から説明して いただきたいと思います。これ以降の各説明資料に対する質疑については、一回一回や っていると大変時間がかかりますので、後で一括して本日ご出席の皆様方から医療機器 の流通に関する現状認識あるいは今後の課題についてご意見を賜ればありがたいと思っ ております。その折りにどうぞ忌憚のないご意見をいただきたいと思います。  それでは、まず、趣旨その他について、事務局からご説明をお願いいたします。よろ しくお願いします。 ○五十嵐首席流通指導官  五十嵐でございます。それでは私のほうから趣旨につきまして、資料1に沿って説明 をさせていただきたいと存じます。  1枚おめくりいただきたいと思います。この懇談会の設置の趣旨につきましては、先 ほど外口局長の挨拶の中で触れられた点そのものでございますけれども、医療機器の取 引につきましては、平成17年12月に公正取引委員会が「医療機器の流通実態に関する調 査報告書」を取りまとめられております。そこで、内外価格差の要因の一部としまして、 「流通」、「手術への立会い及び在庫管理委託に要する費用」等が指摘されております。 この件につきましては、本日、公正取引委員会取引部の佐久間調査室長にお越しいただ いておりますので、後ほどご説明いただけるものと考えております。  また、(別添1)の3ページの(2)をご覧いただければと思います。これは本年8 月27日に開催されました中医協保険医療材料専門部会の資料でございます。ここで、我 が国特有の流通システムや審査期間等が材料価格に与える影響の把握等を踏まえ、適正 な内外価格差の範囲や内外価格差の是正に向けた取組等についての検討を行うこととさ れ、また、下段のほうの今後の検討の進め方の1にございますけれども、当該影響等に ついて、医療材料業界から引き続き意見聴取を行うこととなっております。  先ほどの趣旨の資料に戻っていただきまして、医療機器の取引に関しましては、本年 2月に医療機器販売業者数社が、3月には医療機器製造販売業者数社が、公正取引委員 会から排除措置命令を受けたり、8月には医療機器卸売業者と医師が贈収賄容疑で逮捕 されるなど、公正な取引という観点からも問題が指摘される事案が散見されております。  また、近年、IT化の進展、院内物流サービス、いわゆるSPDサービスの提供や、 コンサルタントといった新たな事業形態が出現するなど、流通に関する状況の変化が見 られるようになってきているところでございます。  なお、参考としまして、(別添2)として、ことし9月に厚生労働省で公表しました 「新医療機器・医療技術産業ビジョン」の20ページ、21ページに、流通に関して少し詳 しく記載しております。恐縮でございますが、時間の関係もございますので、後ほどご 覧いただければと存じます。  こうした状況を踏まえまして、厚生労働省医政局長の意見聴取の場として開催させて いただきたいというものでございます。医療機器の流通過程の現状を分析した上で、医 療機関の運営の在り方とも関連させつつ、公的医療保険制度の下での不適切な取引慣行 の是正といった課題をはじめ諸般の問題について検討を行うことによりまして、今後の この分野での流通改善方策を検討することとしたいという趣旨でございます。  構成でございますけれども、2に書いてあるような構成でございまして、先ほどご紹 介させていただきました本日ご参集の方々にお願いしているところでございます。  次のページをおめくりいただきたいと存じます。3の主な検討事項でございますが、 4点ほど書いてございます。1点目としましては、医療機器販売については、二次卸、 三次卸等の複雑な流通経路が見られます。2点目としましては、手術への関係業者の立 会い、預託、貸出・置財等、循環器系材料や整形材料に見られる独特の販売形態が見ら れます。3点目としましては、医療機関の購買・物品管理業務のアウトソーシングが見 られるようになってきています。4点目としましては、医療機器等の高度化による流通 効率化の推進が求められております。そういった問題について、当事者の皆様方でご議 論をいただければということで書いてございます。  当面のスケジュールでございますが、本年度は特定保険医療材料等の「医療材料」の 流通に関する問題点を抽出しまして、来年秋ごろをめどに中間取りまとめを行いたいと 考えております。また、大型検査機器等の「医療機器」や「歯科関係医療機器」につい ても来年度から検討を行いたいと考えております。  次のページをおめくりいただきたいと存じます。本年度のスケジュールを少し詳しく ご説明しますと、本年度は、本日でございますけれども、第1回が医療機器の流通の現 状について、その全体を俯瞰していただくためのテーマとさせていただいております。 2回目につきましては、2月上旬に開催させていただきたいと考えておりますが、そこ では医療機器独特の販売形態、立会いとかSPD等について少し掘り下げてみてはと考 えております。3月中旬に、「医療材料」についての検討課題及び必要な調査の方向性 についてご討議いただきまして、決定できればというふうに考えております。  なお、来年度以降の大まかなスケジュールを下段に記載しております。結果として、 ご議論していただく中でもう少し掘り下げてはというようなこともいろいろあるかと思 いますが、現時点ではこのようなスケジュールを考えております。  委員の皆様方には大変お忙しいところ恐縮ですが、関係者が流通改善について意見交 換ができる場としても有意義ではないかと考えておりますので、ご協力をお願いいたし ます。  それから、5のその他でございます。私ども医政局の経済課で事務局をやらせていた だきますが、その他、必要に応じまして、本日も公取委の佐久間調査室長に参考人とし て意見を聞かせていただくことを考えておりますので、参考人から意見を聞くというこ とを書かせていただいてります。また、最後の行のところは、先ほど事務局から公開、 非公開のところで申し上げましたけれども、本会合と別に準備作業会合を必要に応じて 開くということを書かせていただいております。  以上がこの趣旨の関係でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  公正取引委員会、中医協の専門部会、あるいは、最近のITその他の環境状況の中か ら、医療機器の分野の在り方を少し考え直さなければいけないところがあるだろうとい うことで、この懇談会になったわけでございますが、今の趣旨のところにございますよ うに、基本的には公的医療保険制度の下での不適切な取引慣行の是正等について検討を 行う、これが今回の中心的なテーマであるということで、以下、スケジュールをお話し いただいたわけでございます。  それでは、今日は、業界の流通に関わる問題がどういうふうな特性を持っているかと いうことを含めて、我々の共通の情報にしたいということで、早速、この中身について ご報告を願いたいと思います。本日は、医療機器の流通については、まずその全体像を 俯瞰的に見て、委員の方々に感覚をつかんでいただくことを主眼にしたいわけでござい ます。そういう趣旨から、医療機器流通の中心プレイヤーである医療機器卸の団体、日 本医療機器販売業協会、略称で「医機販協」というわけでございますが、そこの医療機 器流通の特徴についてお話願いたいと思っております。よろしくお願いします。 ○田中委員  ただいまお話がございました日本医療機器販売業協会の田中でございます。医療機器 ・医療材料の流通の概要についてお話し申し上げたいと思います。今日は時間もそれほ どございませんので、ほんの表面をお話するということになりますけれども、各論につ いては追ってお話をする機会もあろうかと考えております。  まず、医療機器・医療材料の流通を検討するということでこの懇談会が開始されるこ とになったわけでございますけれども、それ以前に医家向けの医薬品の流通について、 相当長い間議論が積み重ねられたと、この場でもそういうお話がございましたけれども、 そういった歴史がございます。したがって、ここにご出席の委員の皆さんは、医家向け の医薬品の流通について深い理解があると拝察いたしております。とかく医療機器ある いは医療材料の流通について論ずるときに、医薬品と似たものとしてとらえて論ずる傾 向があります。  私はここでは、医療機器と医療材料が医薬品とどのように違うか、そのことが結果と して、医療機器・医療材料の流通に、医薬品と違うどのようなことをもたらすのかとい うようなことについてお話をさせていただき、そして皆様に医療機器・医療材料の流通 について、薬とは違うという点でのご理解をぜひいただきたいと考えております。資料 2を出させていただいたわけですけれども、大変簡単な内容で、これから肉付けはして いくつもりでおります。  1枚めくっていただきしますと、医療機器・医療材料の特性(医薬品と比較して)と いう表がございますので、これをご覧いただきたいと思います。まず、市場規模でござ います。医療機器・医療材料が年額およそ2兆3,000億であるのに対して、医薬品は6 兆9,000億程度になるというふうに聞いております。医療機器・医療材料の市場規模は 薬のおよそ3分の1ということになります。一方、製品の種類、製品の数でございます けれども、医療機器・医療材料は少なめに勘定しても60万種類程度あるのに対して、医 薬品は1万3,000程度になります。  市場規模が薬の3分の1にすぎない医療機器・医療材料であるわけですけれども、種 類は薬の50倍程度存在するということになります。したがって、製品1種類当たりの市 場規模は、市場規模を種類で単純に割っただけでございますけれども、医薬品の5兆 3,000億に対して医療機器・医療材料はその150分の1に相当する380万程度ということ になります。このことが流通にいろいろな形で大きな影響を与えてくることは後々お話 することになると思います。  それから、使用するときの特徴として、医療機器ないし医療材料は、概ね手術あるい は処置と一体で使われるわけであります。使用に当たってはそこに技術を伴うというこ とになります。ちょっと余談になりますけれども、そうしたことが仕損品を少なからず 生ずるということにつながります。そのことが我々に対しての値引き交渉をするときの 根拠にもなるというような傾向にございます。  それから、これは「多くの場合は」ということでございますけれども、医療材料の場 合は、手術に一度使われてそれで治療は終了するということが多くあります。それから、 単体で使われるだけではなくて、複数の材料、あるいは、医療機器との組み合わせで使 用されるケースが多くございます。一方、医薬品の場合は、投与に当たって、医療機器 とか医療材料で述べたような手技や技術を伴うことはないと考えております。また、医 薬品の場合は複数回あるいは一定期間にわたる投与が一般的であると聞いております。  次に、製造形態あるいは製造技術についてお話したいと思います。医療機器・医療材 料の製造は、異論があるかもしれませんけれども、全般的にはやや手工業的で、幅広い 技術の組み合わせで製造されていると言ってよいと思います。一方、医薬品は、概ね装 置産業的で、技術的内容は高度なものがあると言えると思います。  製品寿命でございますけれども、医療機器・医療材料の製品寿命は1年半、18ヶ月程 度と言われております。これは医薬品の製品寿命に比べると相当短いと言えると思いま す。  その他、特徴の幾つかについて列挙してみますと、まず大きさでございますけれども、 数ミリメートルの小さなものから数メートルに及ぶものまで幅広く存在しております。  次に、先ほど申し上げたように、これは薬と比較して、形状とかサイズが存在すると いうことが特徴的であると思います。骨折の修復などに内部固定材料としてスクリュー とかプレートが使われますけれども、そういったものをイメージしていただくと理解し やすいと考えております。おのおの使われる部位とか、患者さんの年齢、あるいは、体 格に応じてたくさんの形状、あるいはサイズが存在しております。こういったものを使 用に際して使い分けなければいけないという特徴がございます。  その他、洗浄とか滅菌等の前処理の必要なもの、あるいは、使用した後の感染性廃棄 物の処理、あるいは、器械については修理とか保守管理が要求されて、常に使える状態 に保っておかなければいけないということになります。  もう一度繰り返すことになるわけですけれども、医療機器・医療材料の流通をご理解 いただくには、ただいま申し上げたように薬とどのように違うのかということをぜひ理 解していただいて、その上で医療機器・医療材料の流通の在り方の検討をしていただき たいと考えております。  2ページ目でございますけれども、2番目に、今申し上げたような特徴の上に成り立 って、医療機器・医療材料の流通あるいは管理がどのようなものであるのかということ を申し上げます。先ほど申し上げたように、医療材料は多品種であること、それから、 製造に要求される技術が手工業的でそれほど高度なものではない。こういう言い方をす るとたくさん反論があるかもしれませんけれども、結果として多数の製造会社が存在し ております。そうなると、おのおのの会社は必然的に規模が小さいということになるわ けですけれども、規模の小さな会社が広く薄く全国に散らばっている医療機関に製品を 安定的に供給する、あるいは、それを使用するに必要な情報の伝達をつつがなく行うと いうことは大変難しいことになります。こういった物品の適切な供給、あるいは、情報 の伝達の多くを全国に展開した流通業者が担っていることになるわけであります。  また、多品種・少量の製品特性というのは、医療機関や流通業者の製品管理をはじめ とする物流に関わる様々な難しい問題を引き起こすということになりますし、よく言わ れる多頻度・少量配送などというのは、多品種・少量の製品特性が必然的に要求すると いうことになります。  それから、先ほど医療材料の作用機序が具体的で視覚や聴覚に訴える特徴があるとい うお話をしたわけですけれども、そうなると、治療を行うときの医療材料の選定に当た って事前に材料を見たい、あるいは、手にとりたい、時には手術のシミュレーションを したいということが、医療機関側の要求になります。事前の検討で形とか寸法の絞り込 みを行うわけですけれども、安全性を見て幅広く準備されるのが一般的になります。こ のような準備作業の多くを流通業者が担っているということになります。  さらに、先ほど申し上げた特徴の中の医療材料の、例えば大きさに幅があるというこ と、あるいは、滅菌有効期間の存在、あるいは、材料の劣化などが要因での製品寿命、 この場合は賞味期限という意味ですが、短いものもたくさんあるということ。こういっ たことに対応するために、様々な設備が必要であるし、工夫が必要だということになり ます。  2ページの3番目、流通経路でございます。先ほど二次卸、三次卸のような複雑なと いう表現がございましたけれども、第1図の左側側に製造元があって、右側に医療機関 があって、その間に一時卸があって二次卸があるということで、線が3本引いてありま す。一次卸から医療機関にいく線を一番太くかいてありますが、これが大部分であって、 MRIのような大型の装置は製造元から医療機関に直接供給されることがあるでしょう し、あるいは、地方によっては二次卸を使って、二次卸が医療機関に物品を供給したほ うが合理的であるというようなケースもあると思いますけれども、現状、多くの場合は 一次卸から医療機関にダイレクトにいっているというふうに私どもは理解しております。  3ページ目を見ていただきますと、医療機関の中に院内物流業者、いわゆるSPDと 書いてございますけれども、流通は病院までいってそれで終りということではなくて、 先ほどお話したように、たくさんの種類のものを医療機関は常々在庫をして管理をしな ければいけない。そして、必要なときにすぐにそれを必要な医療機関の部署に持ってい って使うということになるわけです。そういった病院の中での物品管理もなかなか難し いということがございまして、病院の中での物品管理を引き受ける。これをSPDと称 するようですけれども、そういう業者がいるケースがございます。これが第2図でござ います。  第3図は、いわゆるSPD業者が、院内物流だけではなくて、物品の購入窓口も一手 に引き受けるという形態ですけれども、そういう取引形態が最近増えてきたということ でございます。ただ、私どもとしては、こういったことが果たして、例えば適切な価格 決めにつながるのかどうかというようなことには大変疑問を抱いておりますし、本来、 医療機関が担うべき役割を外注することによって、結果的に医療機関そのものの対応能 力がだんだん下がってくるということが果たしていいことかどうかということについて は大いに疑問を持っている次第です。  最後に、一次卸、二次卸、三次卸の存在についてちょっとお話をさせていただきます。 私どもとしては、特殊な例を除いては、少なくとも三次卸はほとんど存在しないと認識 しております。まず、卸売業者の基本的な役回りが情報の提供とか流通とか金融である 以外に、物品の修理あるいは保守管理も行うというようないろいろなサービス内容があ るわけですけれども、そういったことで仕事に幅が出て、いわゆる三次卸と言いますか、 物品の供給よりもその他のサービスを主体にした仕事、そういった中で部分的に物品の 供給も行うという形の三次卸等の存在はあり得ると思っております。  少々大雑把すぎる内容になってしまったかなと反省しておりますけれども、追い追い もっと具体的なことにお話させていただく機会をいただきたいと思っております。  以上でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  医器販協から非常に分かりやすくご説明いただきましたので、大体概要をつかめたと 思います。  それでは、続きまして、この業界の外からの視点ということで、本日は公正取引委員 会事務総局の取引部取引調査室長の佐久間正哉様にお越しいただいておりますので、佐 久間様からお話をいただきたいと思います。  公正取引委員会では、先ほどお話がございましたように、平成17年12月27日に「医療 機の流通実態に関する調査報告書」を公表されております。医療機器の内外価格差及び 流通取引実態についての調査報告をされていますので、その趣旨内容について佐久間室 長よりご説明をお願いしたいと思います。  佐久間様は、ご説明が終わった後どうしても戻らなければならないので、その後、佐 久間様のプレゼンテーションに対しては質問を直接お受けしたいと思います。よろしく お願いします。  それでは、佐久間室長、お願いいたします。 ○佐久間室長  ただいまご紹介にあずかりました佐久間でございます。本日は懇談会にお招きいただ き、また、私どもの報告書についてご説明の機会をいただきましたことを御礼申し上げ ます。  私がおります公正取引委員会の取引調査室では、様々な事業活動の実態について,業 界全体的に調査を行って、独占禁止法あるいは競争政策上問題となる取引慣行等につい て考え方を示すことにより、独禁法違反の未然防止、自由かつ公正な競争の維持・促進 を図ることを任務としております。本日説明する報告書もその一環として取りまとめら れたものでございます。ただ、3年前に公表したものでございまして、最新の状況につ いては皆様方から見て反映されてないのではないかと感じる部分もあるかもしれません。 その点は予めご了承ください。ただ、医療機器の流通の分野はいろいろな問題点を抱え ているということはこれまでのご説明でもあったとおりでございますので、本日の私の 説明が懇談会の今後の議論に少しでもお役に立つものであれば幸いに存じます。  それでは、説明に移りたいと思います。説明は、基本的には資料3の報告書の冒頭に 新聞発表文等を添付しておりますけれども、必要に応じてそれに触れる形で説明したい と思います。  医療機器につきましては、従来から内外価格差の問題とか、流通段階において様々な 取引慣行、こういう取引慣行例はいいのかと、そういった問題だという取引慣行の中に は、競争制限的な行為についても指摘がなされていたところです。実は公正取引委員会 は平成9年の段階で「医療機器の流通取引慣行等に関する実態調査報告書」を公表して おりました。その中でも考え方を示しておりましたけれども、その後、医療制度改革等 に伴って、平成9年当時から比べると状況が変化しているのではないかということで、 改めて流通取引慣行について調べまして、競争政策上の観点から改善すべき点を明らか にしようということで、17年の調査を行ったものです。平成17年の調査においては、平 成9年に調査を行いましたペースメーカー、PTCAカテーテル及びMRIに加えまし て、腹腔鏡を加えて4品目の調査を行いました。  新聞発表文、調査の概要ということで2ページ目にございますけれども、2ページ目 は市場規模とか流通の経路で、先ほどご説明いただきましたし、皆様のほうがよくご存 じなのではないかということで、特段触れずに3ページ目からやっていきたいと思いま す。  1つは医療機器取引の実態ということで、内外価格差の実態はどうなっているのかと いうことで4品目を見てみました。ペースメーカーとPTCAカテーテルについては、 依然として差があるということです。これは私どもの調査の資料ですので、ほかの考え 方もあるかと思いますけれども、17年の報告書ではペースメーカーが1.6倍、PTCA カテーテルでは2倍程度の内外価格差が認められました。こうした内外価格差の存在に ついて大きく分けると、我々の目からということですけれども、一つは費用面での問題、 もう一つは取引における競争の状況、この2つの点が影響していると考えられます。  そこで、アンケート調査等を分析したわけですけれども、費用面の問題に関しまして は、資料の3ページ目、新聞発表文の3枚目、2枚めくった左側ですが、流通に関する 費用だとか、薬事申請に非常に費用がかかるとか、手術の立会い等に要する費用とか、 在庫委託管理に関する費用、これはカテーテルの場合ですけれども、そういった費用の 問題が挙げられております。あと、並行輸入がほとんど行われていないといったことも 明らかになりました。ただ、薬事法上、海外で承認を得た製品を国内に輸入して販売し ようとする事業者は、こうした製品の承認を要する費用を自ら準備する必要があるなど、 事業者が並行輸入品を扱うという営業上のメリットはほとんどないということも報告書 の中では触れております。  内外価格差の問題がある品目として、ペースメーカーとカテーテルということになっ たわけですけれども、アンケート調査によると、卸売業者と医療機関との取引において、 取引先の変更が少ない傾向が見られたと。このような傾向は医療機関側の購入政策と前 からの販売政策によるものがあるということで、4ページ以下にそういったことが書い てございます。  まず、医療機関の購入政策による取引先固定化傾向についてですが、これは既存の取 引先との継続的な取引を優先する傾向にあるということでございます。これには、現場 のお医者様の要請で特定の製品の購入又は取引先選定への意向が医療機関の機器購入の 判断上大きな影響力を持ち、これによって製品又は取引先が決定される傾向がある。ま たは、医療機関における購入事務担当者においても、事務処理上の問題等から従前より 取引関係が続いている特定の卸売業者との取引を優先し、取引先を変更することについ ては消極的である傾向ということです。  2つ目に入札の実施方法の問題があるわけですけれども、医療機器を購入するに当た って見積り合わせとか、入札をするということもあるかと思いますが、そういった見積 り合わせや入札の実施に当たって、入札の参加条件が過度に限定されてしまうというこ とで、入札によって期待される競争機能が十分に働いていない実態が認められました。 例えば、その下にあるアンケートは、発注の際の仕様の内容ということですが、具体的 な機種名を指定するというのは、56のうち9割近くの医療機関がそういうふうに答えて います。具体的な機種名をしてしまいますと競争が働きませんし、取扱業者も限られて いるということであると、ずっと同じような取引が続くということなんだろうと思いま す。  それから、メーカーの販売政策による取引固定化傾向について5ページ目で触れてお ります。一つはメーカーによる卸売業者の販売先・販売価格に対する関与ということで、 卸さんが新たな取引先を開拓しようにもメーカーからの取引の承認が下りないとか、あ るいは、取引先をメーカーから指示されているので、医療機関に積極的な売り込みを行 わないといったようなお話もございました。  あと、販売先とか販売価格を報告させていると。多くのメーカーが卸売業者さんに取 引先とか販売価格を報告させているといったことが見られました。  その他、卸売業者への販売価格に関する行為ということでは、従来の卸売業者に比べ ると、新規に取引しようという卸売業者には、仕切り価格の設定が新規のほうが不利に なっているとか、そのようなことも報告書の中では記述しております。  また、これは流通とは若干離れるのですけれども、製品の販売に関する諸規制という ことで、薬事法による申請手続、承認に要する期間が諸外国に比べて長いといったよう なことも調査では触れております。  こういったことを踏まえて報告書においては競争政策上の評価をしております。競争 政策上の評価は、4ページ目から6ページにかけて説明した下の点線の四角の部分が提 言ということになるんですけれども、概ねこのようなことを言っております。一つは、 医療機関には、高いコスト意識に基づく購入行動を採る姿勢を持っていただく必要があ りますということです。2つ目は、メーカーが卸売業者に対して、販売先医療機関を特 定し、あるいは、卸売業者が特定の医療機関としか取引できないようにする、又は指定 した医療機関以外に製品を販売する卸売業者に対して、合理的な理由なく製品の販売を 拒絶する。そういった行為は不公正な取引方法として独占禁止法上問題となるおそれが あるということを申しております。  その他、メーカーが販売業者に対して、医療機関への販売価格の報告を求めると。求 めること自体が直ちにということではないのですけれども、そういったことを川下の価 格、医療機関への販売価格を報告することを求めるようなことをしているうちに再販売 価格の拘束という独禁法上の問題になるような行為につながるおそれもままあるので、 そういったことがないようにということで、報告を求めることについて、独禁法上の問 題につながるおそれがあるというようなことを言っております。  最後は、流通と離れますけれども、多様な製品が市場に流通し、競争が促進されるこ とは我々公正取引委員会の立場から、あるいは、国民一般から見てももちろんそうです が、それは望ましいことでございますので、そういった観点から薬事法における販売の 承認については、例えば申請者の負担軽減を図るなどして、承認申請期間の短縮が図ら れるよう検討することが望ましいと、そういった考え方を示しているところでございま す。  報告書を取りまとめました後、公正取引委員会は「本調査において明らかになった実 態とか問題点を踏まえて、関係する皆さんの自主的な改善を促すために、報告書の公表 に際して、今まで述べたような考え方について、関係する業界の皆様に説明も当時行っ ております。ここは報告書を取りまとめた際の取引調査室の者の見解ということで聞い ていただきたいんですけれども、医療を取り巻く環境の変化で、医療機関においては従 来以上にコスト削減とか経営の合理化の必要が迫られている状況にあるにも関わらず、 依然としてコスト削減の意識が不十分、ないしそのような意識があったとしても、購入 姿勢の改善によりコストの削減を実際に行っているという医療機関はまだまだ少ないと いう印象を受けたというのが、当時の受け止め方でございました。  そういうことでございまして、医療機関においてはコスト意識を一層高めるとともに、 単なる事務経費の削減といった取組にとどまらずに、卸売業者間の競争機能を十分発揮 させるなど、真のコスト削減を実現するような取組を行うことが望まれるところでござ います。また、メーカーや卸売業者においても、今までの継続的・固定的な取引関係を 前提とした販売政策というのは見直す必要があるのではないか。制度面においても、先 ほど触れました承認申請期間の短縮と改善の余地があるのだろうということを、報告書 を取りまとめたところから我々の見解として有するに至った次第でございます。  以上申し上げたところの最後の評価の部分も、あくまでも報告書を取りまとめた3年 前の状況を踏まえて申し上げたことなので、これ以降いろいろ取り組んでいるのだとい うことであれば私どもは歓迎するところでございますけれども、今申し上げた評価につ いても、今後の議論に当たって参考にしていただければと思います。  以上、簡単ではございますけれども、私からの説明はこの辺で終りにしたいと思いま す。ご静聴ありがとうございました。ご質問等ございましたら、何なりとご遠慮なく申 し出ていただけばと思います。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  佐久間室長から貴重なご報告をいただきました。公正取引委員会の方々が直接こうい う場でQ&Aをやってくださる機会はなかなか多くありませんので、特にメーカーさん、 医療機関さん、その中間流通業の方々、もちろんその他の方々でも結構でございますけ れども、ご質問を二、三いただければと思います。  はい、吉田さん、お願いします。 ○吉田委員 佐久間さんに一つだけお伺いしたいと思います。1.6倍とか2.1倍の内外価格差の理由が 2つありますと。コスト面と取引の競争面。この2つは影響の比率、2倍とか1.6倍と いうのは尋常じゃない倍率なんですけれども、この2つの要因がどのウェートで影響し ているというふうにご覧になったのですか。 ○佐久間室長  そこは、要因として考えるところの要因を挙げたということなので、2つ挙げたどの 要因が、例えば5で、6でどの要因が4とかいったことを数量的にまで分析したもので はございません。その割合はどのぐらいだということは申し上げられないと思いますけ れども、要因として挙げられ得るものとして、コストがかかれば価格は上がるというこ とで、コスト要因というのがあるでしょうが、他方,取引慣行でも改善する余地がある のではないかということで、競争上の問題ということで挙げさせていただきました。 ○吉田委員  医療機器業界だけではなくて、今、ヨーロッパで日本はカルテル等で制裁されていま すよね。通常、民間企業で考えるとこの製品は日本で高く売れている、だから日本の商 売は利益が多いというように考えるのが普通の考え方なのですけれど、それは日本固有 の問題として、コストが多くかかっているのですという言い方もできるわけですね。で すから、コストと利益の部分がどのような比率になっているのかに関心があってお聞き したわけです。海外市場では、アメリカでもヨーロッパでも日本の企業は無茶苦茶攻め られていますね。ぜひ定量的分析をよろしくお願いします。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。はい、お願いいたします。 ○崎原委員  平成17年度の報告によりますと、MRの価格も調査しておりまして、逆に国内の価格 は下がっているという報告だったと思いますけれども、その原因としてMRの設備の台 数は日本がアメリカよりも大分多いという数字上の問題のようにも思うんです。もしそ うであれば、例えばペースメーカーなど、アメリカと日本の実施の件数などでこういう とも下がらないというようなことが言えるのでしょうか。 ○佐久間室長  これは直接答えにはなっていないかもしれませんが、残りの2品目について内外価格 差が生じないということだったんですが、例えばMRIでも腹腔鏡でも、我々の調査し たあれですと、例えば薬事審査が長期化するということは、これらの話では聞かれない とか、MRIですとメーカーの直販比率が高くて流通コストが少ない場合もあるとか、 販売後の保守点検のサポートが、通常、MRIの場合は製品の購入とは別途契約になっ ている等々、多少取引の形態も違うようだということと、メーカーごとにあまり大きな 機能差がないとか、購入する側もメーカーや機種で選考するという傾向が少なくなって いるということで、我々から見ると価格の競争がこちらのほうが進んでいるということ がございます。  調査から言えることはそういうところです。 ○崎原委員  ありがとうございました。内外価格差を少なくするようなことで、MRが参考になる かなということで質問させていただきました。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  ほかにございますか。諸平さん、お願いします。 ○諸平委員  医器販協の諸平といいます。ちょっとお気に障るかもしれませんが、医療機関側がい わゆるSPDという形が多くなってきまして、その場合、院内物流だけやっているんな らいいんですが、購入窓口をその会社に委託するわけですよね、医療機関が。そうする と、ある意味では優越的な地位の乱用じゃないですけれども、その人は自分の思うとお りに仕事ができると。我々同業の中でそのことをやる人もいるし、そこへ品物を納める 段階でトラブったり、現実的にある日突然そういう問題が起きているということも事実 なんですよ。それについて、いろいろなところで公式見解というか、公正取引委員会が どういうふうにお考えになっているのかというのはあまり聞いたことがないものですか ら、お答えいただければと思いまして。お願いします。 ○佐久間室長  優越的地位の濫用があるかないかといった場合には、この場合ですと、購入者の濫用 ということになるわけですか、おっしゃっているのは。購入する側の濫用行為ですね。 ○諸平委員  そうです。 ○佐久間室長  取引上優越的な地位にあると言えるのかとか、実際どの程度の不利益を与えるのかと いうことを考えなくてはならず、個別の事例を具体的に検討しないとなかなか判断がで きない。公取から見解を聞いたことがないというのは、一刀両断に問題とか問題でない とか言えるような性格のものではないので、曖昧な答えになるんだと思うんですね。私 自身ここで説明させていただいていますけれども、直近の状況というのはよく理解して いないものですから、具体的なお答えはこの場では控えたいと思います。申しわけござ いません。 ○諸平委員  分かりました。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  じゃ、最後にしたと思います。どうぞ。 ○末永委員  今、MRの話が出ましたが、高額機器がその価格は下げてくるのですね。価格は下げ てくるのですが、保守点検費用を高く設定していると言いましょうか、これは交渉しよ うがないですね、安全性に関わるという言われ方をしますと。価格を交渉できなくて、 経費がすごく上がってくるということも出てきているのです。公取委ではこの価格だけ ではなくて保守点検費用などについての調査はされませんでしょうか。 ○佐久間室長  現時点では、保守点検費用がどうだという調査はしておりません。ただし、保守点検 問うことですと,エレベータの保守点検サービス市場において,メーカー系列の保守点 検・部品販売事業者が競争関係にある独立系の保守点検事業者の取引を妨害したことに ついて,独占禁止法上問題として措置を取ったケースはございます。保守点検といった マーケットでも、独禁法上問題となり得るような行為が存在するような分野もあるので すけれども、医療機関の分野においては今までございません。 ○嶋口座長  それでは、本当に最後に一つだけ、質問で。 ○田村委員  この報告書は、先ほど来3年前のものだとおっしゃっていて、確かにそのとおりで、 17年12月にこれが出された後、18年4月と20年4月と二度、診療報酬改正があり、ここ にありますペースメーカーとPTCAカテーテルは二度ともかなり大きな引下げを受け ております。それは市場実勢価に基づく引下げでございまして、それぞれ異なりますが、 十三、四パーセントから16%ぐらい、PTCAもカテーテルも二度とも下がっておりま す。  そういう意味では、この時点では価格競争が十分に行われていないというご判断だっ たのかもしれませんが、その後の2回の改定を見る限りでは、ほかの医療機器に比べて もかなり大きな引下げを受けていますので、この公取委さんの報告書が有効だったのか どうかということかもしれませんけれども、価格引下げのメカニズムというのは有効に 働いているのではないかと考えられます。  以上でございます。 ○嶋口座長  これは質問というよりもむしろコメントということでよろしゅうございましょうか。 ありがとうございました。この質問を続けていますと、半日かかる可能性がありますの で、大変残念でございますけれども、佐久間室長は次の要件がございますので、ここで 退席ということになりますが、よろしくお願いします。  佐久間室長、どうもありがとうございました。 ○佐久間室長  皆様、どうもありがとうございました。失礼させていただきます。 〔佐久間室長退席〕 ○嶋口座長  それでは、今度は学術的な視点ということで、本懇談会の委員でもあります産業医科 大学医学部公衆衛生学教室教授の松田晋哉先生からご説明をいただきたいと思います。  松田先生におかれましては、平成16年の3月に厚生労働科学研究費補助金を受けまし て、「医療機器関連産業における附帯的サービスの実態調査報告書」を取りまとめられ ております。これより、その趣旨内容について松田先生からご説明いただきたいと思い ます。よろしくお願いいたします。 ○松田委員  産業医科大学の松田でございます。今日はこのような場所で研究成果の報告をさせて いただくことということでありがとうございます。  私がやりましたのは、平成15年度の厚生労働科学研究で、「医療機器関連産業におけ る附帯的サービスの実態調査」をやるということでございます。これは5年前の調査で ございますので、そのときから比べるとかなり変わっているだろうという前提の下で、 話を聞いていただけたらと思います。時間も限られておりますので、研究の要旨を中心 にお話をさせていただきたいと思います。  2枚めくっていただきますと、1番という番号がついておりますけれども、そこに要 旨がありますので、それを基にお話をさせていただきます。そもそもこの研究をなぜや ろうかということですが、従来から医療材料・医療機器に関しましては内外価格差の問 題がかなり言われているわけですけれども、どういうふうに価格が設定されているのか、 こういうところで関心を持ちましたところ、附帯的サービスというものが日本の医療機 器・医療材料の価格に大きく関係しているだろうということが定性的に言われていると。 では、実際にどういうものがどのくらい行われているのかということに関してはデータ がなかったわけでございます。ということで、主だった医療機器・医療材料についてど のような附帯的サービスが行われているのかということを、実態把握を目的としてまず 行おうということを考えました。  もう一つ、ロジスティックでございますので、ロジスティックというのは製造コスト に比べて変動費部分が多いですので、管理可能費部分がかなり大きいということなので、 コストマネジメントによる管理も有効であろうと。実際に医療機器関連産業においてど の程度コストマネジメントが行われているのかということについての実態調査もやりま しょうということで、主に郵送法に基づいて調査を行いました。その後、ご回答いただ いたところにヒアリングを行い、併せて1つの事業者さんにお願いいたしまして、中小 企業ABCをやらせていただいたという調査でございます。それから、医療廃棄物につ いても少し調べたほうがいいだろうということで、医療機器廃棄物についても、どのよ うな処理が行われているのかということを調べさせていただきました。  まず、どのようなところを対象に調査をしたのかということです。1枚目の一番下に 書いてございますが、日医機協と医器販協にご協力いただきまして、そこに調査票を配 らせていただきました。1枚めくっていただきますと、どのくらいのボリュームだった のかということが分かります。1290社にお送りさせていただきまして、377社から回答 が得られました。その間、1回、督促を出しているんですけれども、回収率は29.2%と かなり低いです。ただ、ほとんどが大きな会社からいただいておりまして、小さな会社 からはあまり回答が得られなかったということですので、代表性という点ではあまり問 題はないのかなと考えております。その377社で最も多かったのは、305社、80.9%が医 療機器の卸業、それから、重なりはありますけれども、70%が医療材料の卸業というこ とになっております。  この報告書の52ページにどのような調査を行ったかという調査票がございますので、 後で見ていただけたらと思いますが、この調査票を用いて、どういう附帯的サービスが 得られているのかということを調査させていただきました。3番のところにありますけ れども、最も多かったのは情報提供、術後・検査後の物品補充、委託・貸し出し、術中 ・検査の立会い、伝票処理、24時間のバックアップ体制、製品サンプルの提供、術前・ 検査準備等の補助などがありました。この調査を見る限りにおいては、本来、医療機関 の業務として行われるべき業務が医療機器販売業の方たちの重要業務の中でやられてい るという実態ということが少し明らかになってきたように思います。  それから、製品別に、どのような製品でどのような附帯的サービスが行われているの かということの組み合わせの特徴を、クラスター分析をやってまとめてみました。そう しますと、7つぐらいの製品群に分かれるという結果が出ました。まず、4番の(1) ですけれども、売って、その後は有償保守点検が主体で、その他のサービスはあまり提 供されていないもの、これはCTとかMRIという画像診断系の機器がそういうもので ございます。  2番目は24時間バックアップ体制で、立会い及び物流管理(バーコード添付や伝票作 成)を含めた院内物流支援サービスも提供されていて、さらに期限切れ在庫のリスクの 引き受けとか製品サンプルの提供など、ほとんどの附帯的サービスが提供されている。 こういうものとしては、PTCAバルーンカテーテルとか、冠動脈ステントセット、ス テントンの類ですね、こういうものは総合的なサービスが提供されているという状況で ございました。  3番目は手術が行われる際の立会い(特に術前・検査の準備等)とその後の伝票処理 と補充が中心的なものになっているものは、人工膝関節と股関節、あるいは、脊椎の固 定システム、骨接合用プレートということで、整形科流域で立会い、その後の伝票処理、 補充が行われているとい状況でございました。  こういう立会いに加えて24時間バックアップ体制が行われているのが人工心肺装置と か自己血回収装置ということで、いわゆる手術で必要となってくるようなもの。  この立会いに加えて、さらに関連機器の無償貸与が行われているものとしては、埋め 込み型心臓ペースメーカーみたいなものがございました。  一方で、立会いに加えて有償保守点検が行われているものとして、自動腹膜還流装置 とか外科内視鏡装置。こういうものは立会いに加えて有償保守点検も行われているとい う状況です。  あとは物流支援が主体、売って、その後バックアップ体制がほとんどないというもの としては、例えば眼内レンズみたいなものがございました。  この結果を踏まえまして、北海道から九州までの幾つかの会社にお願いいたしまして、 担当者のヒアリングをさせていただいた結果が5番目のところです。これが非常に興味 深かったのは、循環器系の医療機器については、納入数の少ない施設で術中・検査の立 会いが行われているのに対して、人工股関節とか人工膝関節のような整形科系では、納 入数に関係なく立会いが行われていたということです。  いろいろ聞いてみますと、例えば整形科流域の場合には、複数のボルト等を準備して いくわけですが、手術の過程でどのボルトを選ぶのかということに関しては、そこでや らなければいけないと、これは当たり前のことですが。しかも、術場の看護師さんが必 ずしも整形科流域の専門職ではないということがありますと、そこで業者さんの支援が 得られないとボルト、材料を選ぶことも難しいという実態があるということでした。  それから、立会いという問題をどういうふうに法的に考えるかということで法律の先 生にも伺ったりしたんですけれども、適正な使用を補助するという観点で取引契約の中 にそれが含まれているというふうに考えていいだろうということなんですが、患者の個 人情報を知り得る臨床の現場での立会いをどういうふうに考えるのかということについ ては、少し議論が必要ではないかというふうにまとめさせていただきました。  それから、附帯的サービスについて、具体的なサービスの対価を設定しているのかと いうと、それはないということです。要するに、バルクでざくっとこのくらいの価格と いうふうに決まった中でのSPDではなくて、附帯的サービスもやっているという実態 が明らかになりました。  それから、医療廃棄物につきましては7番目に書いてございます。マニフェスト制度 はよく運用されているんですが、それ以前の問題として、医療施設のヒアリングも行っ たんですけれども、医療施設内において廃棄物に関しては改善点が多くて、それが後処 理のほうに問題を生じているというケースが見られました。  物流コストについてもいろいろと調べさせていただきました。把握の実態ですけれど も、物流費の把握を自社物流費も含めて行っているのは3割です。そのうちABCまで やっているのは5.8%の企業ということで、日本の医療機器・医療材料を扱っている業 者さんではコスト管理はあまりされていないという現状が明らかになりました。ただ、 その中でヒアリング等もやって思いましたのが、物流をやっていくためには基本的な標 準コードの設定が必要なわけですが、実際にこれはあります。EANもありますし、J ANもあるわけですが、ところが各病院で独自のバーコードがまた設定されている。そ の独自のバーコードを業者さんが貼らなければいけないということで、病院と業者さん の間は管理ができるんですけれども、業界全体で見ていこうとすると、トレーサビリテ ィがなくなってしまう。これは非常に大きな問題であると考えました。そういう意味で、 こういうところの医療材料の標準コードの普及をどういうふうに図っていくかというこ とが、この附帯的サービス等に関連して大きな問題であるというふうに判断いたしまし た。  それから、物流のコストをどのようにやるかということで、1つの販売業者に大変な ご迷惑をおかけしてやらせていただいたわけですけれども、中小企業庁の出している 「中小企業のための物流ABC準拠による物流コスト算定効率化マニュアル」という、 CDもついておりますが、それを使ってアクティビティ原価計算を試みてみました。こ れはあくまで素人に毛の生えたような僕がやっていることですので、値そのものはとも かくとしても、ここから2つ知見が得られています。  1つはそういうものが適用可能であるということ。実際にそれをうまく適用するため のトレーニング、研修等をやっていただければ、医療機器関連産業においても中小企業 庁が出されたABCのマニュアルは十分使えますし、それを使ったいろいろなロジステ ィックの管理はできるのではないかと考えています。実際にやってみますと、11番目の ところに書いてありますように、ケース単位の処理とピース単位の処理のアクティビテ ィ単価を見ますと、ピース単価でやったほうが10倍ぐらい高くなっています。これは、 昨今、各病院様と医療機関、それから医療機器関連産業の間では、多品種の小口の配送 はかなり増えてきているんですけれども、それに対応するために、医療機器関連産業の ほうではピッキングでピース単位に分けていくという作業をやっています。それが確か に物流コストを上げているということはあるのだろうなと考えられます。  こういうことでいろいろとやってみたんですけれども、ヒアリングをやってみますと、 病院における物流管理のシステムの不備が片方であって、そのために業者さんにいろい ろなものが押しつけられているという現状も明らかになりました。ただ、ロジスティッ クに関しては、病院も関連産業さんも両方とも改善すべき点があるということで、どち らがどちらということではないですけれども、そういう実態が明らかになったというふ うに考えています。  先ほど田中委員からもお話がありましたけれども、院内物流を業者さんが請け負って いる場合、使った、あるいは、この棚からこの棚へ移したという時点で売ったという取 引慣行になっている場合に、そこでのマネジメントがきちんとできていないと棄損品が 出てしまう、滅菌切れとか期限切れが出てきてしまいますので、そういうところの取引 慣行をどうするかという問題もあるのではないかと感じました。  これは5年前のデータで、今はもう少し状況は改善しているだろうと思いますけれど も、医療機器関連産業における附帯的サービスの実態調査の概要についてご説明をさせ ていただきました。以上でございます。 ○嶋口座長  どうも松田先生、ありがとうございました。  以上、各先生方からご説明をいただいたわけでございますが、情報量は相当多うござ います。関連資料はまた後でじっくり見ていただくことにいたしまして、これからは今 日のメンバーの方々から、医療機器流通にかかる現況認識、あるいは、今後の課題とし て考えること等について、ざっくばらんで結構でございますので、ご意見をいただけた らと思っております。  今日は2時間半というちょっと長丁場の時間設定になっておりますが、既に1時間半 弱経過しておりますので、ここで5分ほど休憩をとりたいと思います。21人の委員の先 生方がいらっしゃいますので、1人3分話しても1時間にしまいますので、恐縮でござ います、3分以内で今日のマクロ的なデータに関するところについてコメントをいただ きたいと思います。3分以内で話せるようなご準備もこの休憩時間にしていただくとい うことで、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、今、26分ぐらいですから、33分からスタートしたいと思います。よろしく お願いします。          〔休  憩〕 ○嶋口座長  では、再開いたしたいと思います。  これまでは、事務局からの趣旨説明に続きまして、医器販協の田中様より医療機器流 通の特徴についてのお話、その後、公正取引委員会の佐久間室長より、3年ほど前の医 療機器の流通実態に関する調査報告書のご説明、そして、ただいま松田先生より医療機 器関連産業における附帯的サービスの実態調査のご報告をいただいたわけでございます。 かなりマクロ的な立場のものが多かったですが、今日ご出席の方々はいろいろな団体あ るいは協会からいらっしゃっていますので、そこは違うとか、ここはこう考えるべきだ とか、こういう課題があるよとか、いろいろご意見があると思います。早速そのご意見 を、1人3分以内でぜひご披露願いたいと思います。  それでは、あいうえお順に従っていきたいと思いますが、三村先生だけは座長代理で ございますので、最後にまとめ的にお話いただくということで、それ以外はあいうえお 順で、青柳様からお願いいたします。 ○青柳委員  青柳です。ご質問かたがた感想を述べさせていただきます。  我々医療機器の公取協におきましては、ことしの4月1日から立会いに関する基準を 実施させていただきまして、鋭意、会員事業者に対して順守の方向で努力をしておりま す。そういった意味合いも含めまして、松田先生の報告書を興味深く読ませていただき ました。その中でちょっと質問をよろしいでしょうか。3ページの5番の上のほうです けれども、立会いの定義をこの調査でやって実施をされたのかどうか。もう一つは、法 的には問題ないのかもしれないという部分があったんですけれども、法的というのはど ういったものかというのをもう少し詳しく説明していただければと思います。 ○松田委員  立会いにつきましては、53ページに用語の説明をやりまして、立会いの定義を明示し て調査を行っています。実際に立会いをやるわけですけれども、その当時私たちが考え ましたのは、立会いをやるということは、医師が患者さんに対して治療を行うという観 点からいうと、医師・患者関係の中でそこの当事者じゃない人が手術室に入ってきて立 ち会うわけですね。個人が分かるという状況で入ってきますので、そういうところで個 人情報の保護という観点から問題がないのかということです。医師・患者関係の契約の 中でサービスが行われるわけですけれども、そこに第三者である業者様が立会いで入る ということに関して法的な問題がないかということについて、九州大学の法学部の先生 のもとを尋ねまして、いろいろと調べていったんですが、取引契約の中に適正な使用を 告示する観点からそれを考えているということで、法的には問題ないというご回答をい ただいたということです。 ○青柳委員  ありがとうございました。と言いますのは、立会いに関する基準の中で関連法規に触 れないというのが大前提になっておりますので、それに伴うこれからのいろいろな形の ディスカッションの中でポイントになっていくのかなという気がしたものですから。よ ろしくお願いします。ありがとうございました。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  では、次、お願いいたします。 ○浅若委員  医器販協の浅若と申します。  私が冒頭にお話申し上げたいのは、薬と医療機器・材料との違いの話がクローズアッ プされてくるやに考えております。かいつまんで申し上げますれば、医療機器とか材料 はカンファレンスとか手術前の段取り、術後のチェックといったように、むしろ物を納 めた後から大切な仕事が始まるというふうに考えております。納品してお終いではなく て、納品した後が重要な仕事が始まる。そのことが安心・安全な医療の下支えになって いるのではないかなと私は考えておりますし、むしろそのことをちゃんとやらなければ 駄目だろうと、基本的にはそのように思っております。  それから、医療材料の話を今回主に議論していると思いますが、医療材料もご存じの ように複雑多岐でございまして、一般のコモディティ商品と言いますか、汎用品、そう いった使い捨て商品のものから、患者さんの体内に埋めるものとか、そういうものまで ございます。いわゆる汎用品に関しては流通業として当然のように規模の利益を追求す る、あるいは、規模の利益を追求する余地のある大量物流といったもので生産性を向上 していかなければいけないと思っております。  一方では手術ごとにドクターと打合せをして準備をするものが結構ございます。そう いうものに関しては、患者さんの症状と言いますか、症例に合わせたものを個別的に用 意するというケースがほとんどで、そういう場合はテーラーメイド的医療に近いものが ございまして、まさしく個別性でございます。そういった個別性のものに関しては、大 量仕入れ・大量物流といったものとはなじまない。規模の利益を追求しにくい材料があ ると思います。  卸売業者によって大分違いがあると思いますけれども、同じ材料の売上の比率をいっ ても、当社で見ましても、4〜5割ぐらいが材料の中でも規模の利益を追求しにくいよ うなもので占められている。これは私どもの会社の場合だけでございますけれども、結 構そういうようなことがございます。その辺のところを各先生方に説明させていただけ る場もこれからあると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  冒頭に当たっては私はそんなことを考えておりました。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  では、飯沼委員、お願いいたします。 ○飯沼委員  日本医師会の飯沼でございます。  各論につきましては、これから勉強させていただきますが、総体的に申し上げますと、 医薬品の流改懇に出させていただきましたけれども、その後の様子をお聞きしますと、 あれだけの会議をしてもそううまく流れができているというふうにはお聞きしていませ んので、ぜひともこの会議が実効性のあるものにしていただきたいということが1つ。  2番目は、今日、ペースメーカーが1.6倍とかPTCAが2倍であるという3年前の お話を伺いましたけれども、感覚的にはもっとあると日医では思っています。そこら辺 のところをはっきり分かって帰らないと私も説明がしにくいので、感覚的にはもっとあ ると私もそのように思っております。  それから、例えば、今、円が高くなりまして、ドルもユーロも随分下がっているわけ でありますが、こういうところが海外の価格差としてどのようにして出てくるかという ことは、我々から見ますと、何箇月ぐらいかかって効果が出てくるのかというようなも のの考え方もできるので、そこら辺のところも確たる数字か何かで出てくると非常にあ りがたいと思います。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それでは、稲垣委員、お願いいたします。 ○稲垣委員  日本歯科医師会の稲垣でございます。  歯科の話は出てなかったんですが、歯科も今日お話いただいたと同じように多品種で しかも少量で、ロングテール構造を持っている。今日皆様のお手元にある「新医療機器 と医療技術 産業ビジョン」に書いてございますが。また、流通のほうも、大手から一 次卸、二次卸、三次卸と、これもまたロングテール構造を持っているという、同じよう な問題がございます。そういう問題が歯科の中でもお調べいただくと出てくると思うん ですが、私は日本歯科医師会として、使用者という立場でここに来させていただきまし た。  歯科のほうも製造と流通が来ておりますので、歯科の話もできると思うんですが、使 用者の立場ですと、諸問題を解決していただいて、これは保険という統制経済の中に、 市場原理のものですので、安ければ安いほうがいいんですが、一般の製品と違うのは、 安ければいいというのは、医療安全という視点が大事なんだと思うんですね。その辺を きちんと担保しながらこの問題をとらえていくということが、今回の医療機器あるいは 材料の一つの大事な点だと思います。  その辺を踏まえまして、ぜひ有意義な会議をしていただいて実りある会議となること を、最初にお祈り申し上げます。以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  次、お願いいたします。 ○梅澤委員  医器販協から参りました梅澤と申します。こういう会議に出させていただいて本当に ありがとうございました。今日2つほど思ったことがございます。  1つは、3年前の公正取引委員会の報告、それから、5年前の報告から、私ども業界 としても自主的な改善が進んでいるんだなということを改めて確信的に思いました。そ のことについては、改めて販売業全体からエビデンスに基づいた結果をぜひこの場で提 出できるような体制に持っていきたいと思っております。  もう一つは、私ども販売業は、薬事法の下に規制をかけられて販売をしておりますけ れども、平成17年に改革がございまして、規制が強化されております。販売業そのもの が申請から許可制に移りまして、市販後の安全調査、回収とか、今までと違った病院様 に対する売った後のフォローがフィーとしてもかかるような状態になっております。私 どもはその規制の中でしっかりとしたことをやっているつもりですけれども、その辺の こともこの中で情報として提供させていただければと思っております。  以上でございます。 ○嶋口座長  梅澤委員、ありがとうございました。  それでは、大塚委員、お願いいたします。 ○大塚委員  医療機器に対して2つ分類して考えなければいけないのではないだろうかと思います。 と言いますのは、本日のテーマに上がっておりますペースメーカーとかPTCAカテー テルなど、特殊な機器に関してはかなり問題があるように思いますが、これは個々に改 善していかなければいけない。それから、一般的な機器については、SPDが非常に有 効的に作用するのではないでしょうか。SPDの会社が複数あって、競争原理が働いて 入札をすると。しかもスケールメリットが働くことによってコストが下がっていく。ユ ーザーとしては保守管理がうまくいくというような点を申し上げたいと思います。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  次、お願いいたします。 ○田村委員  2点申し上げさせていただきます。  1点は、先ほど既に申し上げましたが、公取さんがやられた調査の後、ここで挙がっ ているペースメーカーとPTCAカテーテルについては、18年及び20年改定の2回で合 わせて30%前後の引下げがなされていますので、市場がそういう意味では有効に機能し ていると考えられると思います。  もう1点は、同じく公取さんの報告書の5ページに「取引先の報告」というところで、 ペースメーカーについては10社中9社が卸売業者に販売先を報告させていたとあります が、薬事法でペースメーカーについてはトラッキングが義務付けられておりまして、医 療機関の名前抜きでトラッキングすることは不可能だと思います。それから、最近の新 しい製品では、製造販売業者として製品を納入する医療機関あるいは使用する医師に対 して教育をすることというのが義務付けられることがございますので、このような制度 の下では、卸売業者さんに取引先の報告をお願いすることは止むを得ないのではないか と考えます。  以上でございます。 ○嶋口座長  田村委員、どうもありがとうございました。  それでは、崎原委員、お願いいたします。 ○崎原委員  日本病院会の崎原でございます。  最初に田中委員からの報告で、医療機器と医療材料のことをちょっと言われましたけ れども、医療材料が60万種類あるというのを、私、今日初めて聞きました。それにより まして、単価、製品寿命なども品目の数について随分影響を受けると思いますので、こ の委員会でどういうところを主として討議するかということを決めないと、効果的な対 策が打ちだせないのではないかと思います。先ほど心カテとかペースメーカーとかいろ いろ出ていましたけれども、そういう品目のどの辺りのところを討議するかということ を少し絞ったほうが効果が出るのではないかなと思いました。  それから、全体的にですけれども、今日は工業会からも来ていただいていると思うん ですが、医療機器を購入いたしまして、そのメンテナンスですね、例えば内視鏡などを 考えてみますと、部品を替えることがよくあるわけですが、部品を替えるということに つきまして、オリンパスと富士、2つ系統が大きくあると思いますけれども、お互いに 部品の交換ができないんですね。そうすると、病院のほうも運営のときに困ることがあ る。内視鏡ばかりではなくて、IT機器なども、富士通を買うと後からNECのものは 使えないとか、そういったことがあります。これはすぐできるとは思わないんですけれ ども、互換性のあるものを、日本でいう規格の統一ができるような方向で、前にビデオ のことでVHSと何とかいうのがあったと思いますが、機材の交換ができるようなもの をこれからつくるような方向でぜひ検討いただけたら、医療材料にとってもいいのでは ないかと思っております。  それから、医療の経営環境が非常に厳しい中で、病院は少しでもプラスの方向に、い ろいろな購入のときに考えていきたいと思いますので、先ほど手術中の立会いのことが ありましたけれども、附帯サービスが多い方向に購入するのは基本的には自由競争の一 つの形ではないかと思っております。公取がいろいろな見解で発表されたということは 分かるんですけれども、そこら辺のところはどこまで規制されるかと。病院としてはサ ービスが多いほうに契約したいというのは人情だと思いますので、そこら辺のところを 少し考慮していただきたいと思っております。  それから、先ほど術中の立会いにつきましては、公取からの意見が出まして、私ども の病院というわけではないんですけれども、一般的に以前は業者に、手洗いということ がありますが、手術のときに手洗いして、手術に参加するという形でやっていた病院が あったと思うんですが、それは今多分全部なくなったと思います。手術中に立会って、 器材の使用についての助言をするということは今でもあると思いますけれども、それは 患者さんのプラスになることなんですね。的確な器材を使ってよりよく早くできるとい うことは患者さんのプラスになることなので、そういうようなサービスも一緒にされる のはいかがなものかなと思っておりますので、そこら辺のところもご討議いただくなら よろしくお願いしたいと思います。  最後に、手術の器材で購入価格と保険の請求価格との乖離というもの、これは先ほど から田村委員もおっしゃっておりますけれども、手術器材などにつきましては、基本的 にシングルユースという形での評価が出ていると思いますが、かなりかけ離れていると ころで。今、一部の病院ではシングルユースなんですけれども、消毒をして3回までは 使えると。そうすると、保険請求価格とも合う器材があるということも、日病の手術器 材の検討委員会でも出ておりますので、つくる側、販売する側で、基本的に1回でとい うのがあるんでしょうけれども、実際には使えるということができれば病院としては使 うということでいけると思うんです。そういう規格の本当のところが出ていないという ところがありますので、そこら辺も考慮していただけたらと思います。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  それでは、末永委員、お願いいたします。 ○末永委員   全国自治体病院協議会の末永でございます。  今、地域医療の崩壊とか病院崩壊とかいろいろ言われておりますが、地域医療を一番 支えているところが自治体病院なわけです。その自治体病院の経営の悪さや人の問題も 含めまして、今、大変な病院が多いわけです。そういう中で経営効率を上げるとかいろ いろなことをやりますし、もちろん収益を上げるとかむだを省くということをやってい るわけです。その中でも大きいのは購入する物品をいかに安くするかということがあり ます。  そういう点で言いますと、内外価格差がこれだけあるということを何とかしてほしい という気持があります。今日出席の皆さんよくお分かりいただけると思いますが、病院 あっての関連の製薬会社であり、流通であり、あるいは、機器の関係のメーカーであり, 流通を担当する部分だと思うのです。その病院が本当に危なくなっているときですから、 ぜひともその辺も分かっていただいて、流通について本当にどうしたらいいかというこ とについていい結論が出るようにお願いしたいと思っております。  それから、先ほどちょっと言いましたけれども、器械を買ったりするときに、保守管 理の費用には手がついてないわけです。それが全くブラックボックスで、どこがどれく らいで請け負っているかということも分かりません。資料を見てみましたら、病院によ っては保守管理を込みでとかいうような、私から言いますと、そんなことは自治体病院 でできるわけはなくて、そんなところまであるのかと思うわけですけれども、保守管理 費用についてもちょっと手を入れていただかないと、安く買ったつもりが全然安くない ということもありますので、そういう実態もご理解いただきたいと思います。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  では、杉山委員、お願いいたします。 ○杉山委員  欧州ビジネス協会の杉山でございます。メーカー側ということで、二、三点述べさせ ていただきたいと思います。  まず、本懇談会の趣旨ですが、内外価格差の是正ということと、不適正な取引慣行の 是正という2つが挙げられております。第1点目は、田村委員からもありましたが、厚 生労働省が現在施行されています海外参照価格制度とか、一定幅による引下げという仕 組みは非常にきいておりまして、私どもメーカーとしますと、本来、内外価格差があっ て価格を是正しなければいけないものについては、着実にしかも急速に価格は是正され ているという理解をしております。  先ほどの公取の資料にもございますが、単純に当時のアメリカの価格と引き比べると いうわけにはいかないと思いますけれども、現時点では、ペースメーカー、ここにあり ますデュアルチャンバ、シングルチャンバは大体1.2倍になっておりますし、PTCA は1.5倍ということでございます。もちろん、価格というのはどこと比較するのかとい うことになります。この資料ではアメリカの価格との比較になっておりますが、現在、 厚生労働省でお調べになっているのは4ヶ国。当然、調べる国が広がってくればこの数 値は変わっていくので、最新の情報に基づいて改めてこの会の中で議論させていただけ ばいいのかなと思っております。  それからもう一つ、不公正な取引の中で我々メーカーとして気になるコメントとして、 先ほど田村委員が指摘された取引病院の情報を出させるということがございましたが、 もう1点、病院との取引価格を報告させているというコメントがこの資料の中にござい ました。通常の卸業者さんに対する仕切りの範囲内で十分にマージンがとれる場合、私 どもメーカーはあえて価格の情報提供を要求しないと思うんですね。  ただ、一定の仕切りでは、とてもではないけれども病院の値引き要求に応じきれない ので、メーカーも特別値引きを出してくれという交渉が随時ございます。そういう場合 には、実際の取引価格は幾らなんでしょうかということを文書で上げていただいて、そ れに対して対応させていただくということもございますので、そういうときには情報提 供はしていただかなければならないかなと考えております。適正な情報開示、それから、 過度な情報開示要求というのは分けていただいて、特に是正すべきところがあれば、や はりこれは是正していくべきだろうと考えております。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  それでは、こちらのほうに移りまして、先ほどご発表いただきました田中委員からコ メントをいただければと思います。 ○田中委員  田中でございます。  今、崎原先生から医療材料が60万種類もあるのかというお話がございました。保険の 償還対象になる特定保険医療材料が30万種類ございまして、60万種類というのは少し控 えめに申し上げた数字でございます。それくらいたくさんあるということでございます。  それから、松田先生のお話を大変興味深く聞かせていただきました。特に、ただ単に アンケート調査だけではなくて、丹念に現場を回られてまとめられたということについ て、敬意を表したいと思います。私、先ほどつたない話をさせていただいたわけですけ れども、この委員会がただ単に机上で議論するのではなくて、ぜひ現場に一歩でも二歩 でも近づいていただいて、現場で何が行われているのかということを肌で感じていただ いた上での議論を行って結論が出ればいいなと考えております。そういう意味で、私ど も医療機器販売業協会としてもできるだけ皆様の便宜を図りたいと考えておりますので、 ぜひよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  では、中村委員、お願いいたします。 ○中村委員  全日本病院協会の中村でございます。  医療機器に関して、病院や医療機関の健全経営というものを考えた場合には、当然1 円でも安いほうがいい。ただし、安かろう悪かろうというものではなく、安全が担保さ れた上での1円でも安いもの、最終的にはこれは患者様のところにも結びつく問題であ ると考えています。同じものでこうも値段が違うかというものがあってはいけないと我 々も思いますし、現場で使う立場としても、同じものであれば比較的似通った値段にし ていただきたいというのが現場の意見であります。  そしてまた、先ほど附帯サービスの中で立会いの件がありましたが、今の現場の中で 看護師が少ない、ドクターが忙しい、こういう場で立会いをしていただいて、サポート していただくことは本当にありがたいことであります。ただ、これは個人情報やいろい ろな問題があるという話ですけれども、今、マンパワーが不足している中で、また器材 やいろいろなものが日進月歩で変わる中で、それに対して現場のマンパワーが対応でき ていないという問題もあると思います。その中で立会いをしていただくというのはあり がたいことだなと思っている次第です。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  では、松田委員、先ほどご説明いただきましたが、改めてお願いいたします。 ○松田委員  私は研究者ですので、研究者の立場から言いますと、2つのことをちゃんと議論した いなと思っています。  一つは価格ということです。医療材料、命に関わるものですので、安かろう悪かろう ではいけないと思います。では、値決めをどういうふうにしているかということに関し て、日本はそこの部分は不透明だと思うんですね。例えばオランダなどがやっているよ うな、医療安全に対する効果も含めた医療経済性評価みたいなものが日本は足りないの かなと思いますので、そういうものがひとつ必要ではないかなと思います。  もう一つは、僕自身、医療情報をやっていますので、医療情報という立場から見たと きに、この医療材料・医療機器というのが情報の標準化ができていない。いろいろなコ ードはあるんですけれども、実際の医療の現場ではそれがきちんと使われていない。そ のことが評価を妨げているのではないかと思いますので、せっかくあるコードがきちん と使われるような仕組みをこれから考えるべきではないかと考えます。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  南委員、お願いいたします。 ○南委員  日本画像医療システム工業会の南と申します。よろしくお願いいたします。  先ほど内外価格差のところで解消されているということが、公正取引委員会の報告書 で挙がっておりました。この会が公的医療制度の下の不公正な取引慣行の是正を目的と するんだと、最初にお話がございました。そのためには医療現場で行われている現状を 分析しまして、どこにどんな問題があるのか、それをまず理解することが必要なんだろ うと考えております。具体的に申しますと、先ほど青柳委員から話がございましたが、 立会いの基準がもう実施されておりますので、いわゆる立会いと言われている実態がど のようなものなのかを明確にしまして、それをもって流通の改善につながるのであれば、 それは大変有意義なことであろうと考えております。  また、先ほどの松田先生の話にも出てまいりましたし、青柳委員の質問にございまし たけれども、法的に問題がないと。あそこの意味は、私は勝手に双務契約総務契約、二 者間の契約において役務の提供、サービスの提供が、製品の価格の中に含まれているか ら何ら問題ないだろうと理解するのかと考えておりました。若干違うのかもしれません が、追い追い明らかになっていってくれればいいなと思っております。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  では、三村委員はちょっと後にしていただきまして、宮内委員、お願いいたします。 ○宮内委員  私どもは歯科のほうですから、来年の夏以降くらいにテーマに上げていただくという ことを事務局から指摘されております。本日の会議の意見ということであれば、内外価 格差という面で、公取の資料が発表された3年前、私が所属しております医機連の販売 ・保守委員会でも、一般マスコミに大きく取り上げられましたので、ショッキングな問 題でございました。そのとき委員会のメンバーに伺いましたら、ペースメーカーはほと んど外国製、PMTCもそうだと、MRIは日本製が多いと。ある委員に「あなたの会 社は内視鏡をつくっているけれども、内視鏡の海外価格差はどうなの」と聞いたら、日 本は全く安いということを指摘された3年前のことが思い出されます。  公正取引委員会は何の意図をもって大きくリークしたのかは分かりません。しかし、 私も医療人の一人として見てみれば、透明性のある販売で、安くていいものを使うに越 したことはないんですが、それ以前に内外価格差の問題を、診療全体ということを考え てみれば、機器の一部のところを取り上げて、診療全体をつぶしちゃったら話にならん だろうと。機器という木を台無しにしちゃって、診療全体の森をつぶしてはならないだ ろうということを痛感している次第でございます。  ですから、透明・公正な取引に努めながら、過去の医薬品流近協のときもそうだった んですけれども、薬価差がどこかに消えてしまうようなことがあればいけない。一番の 目的は適正な税金の使い方につながるような会議の方向に持っていかなければならない というのが、十数年前の流近協のときに提案されたことを思い出します。今日は1回目 ですから、今回も、診療側と製造側、流通側の利益のせめぎあいではなくて、きちんと したもの、最終的に適正なコストで良質な医療の提供につながるような結論に導いてい ただきたいと思っております。  以上でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  目黒委員、お願いいたします。 ○目黒委員  私は医療現場にいる臨床工学技士でして、報告書の中で、看護、医師、技士という形 で名前が載っている者ですけれども、今日のお話を聞いて3つほど考えてみました。  流通に関する部分については、皆様のご意見がいろいろあるということを私なりに理 解させていただいて、その次に医療機関の中にある問題は何なのかと考えてみますと、 医療機関の中で医療機器を入れる窓口が全体像を知って、それをコントロール、マネジ メントする窓口が医療機関の中でしっかりしていないのもひとつ大きな要因ではないか なと思います。  というのは、医療機器とか材料と言われていても、高額な医療機器については管理会 議なり医療機器購入のところでいろいろな議論がされるのですけれども、小さな医療器 械、カテーテルや注射針みたいな部分についてはそんな大きな問題にはならないかもし れないですが、議論する場があまりない、話をするような機会があまりないような気が します。ですから、そういうものについても適切な、何が必要なのかというのを医療機 関の中で討議する組織的な部分が必要であるような気がしています。要は、薬剤に関し ては薬剤部門があるわけですから、医療機器に関しても医療機器を管理する部門が医療 機関の中にあってしかるべきかなと思っています。  それから、私も医療の中でいろいろな器械を使う立場ですので、公正取引の部分につ いては、報告書の中で先生たちの指名した器械、物品名で購入するという話があります けれども、使う側にとってみれば、公正に公開入札等をされて物が購入されることは非 常にいいことなんですが、最低限必要な機能が必要だという場合も当然あるわけで、そ こら辺をどういうふうな形で認めてもらう、あるいは、一般競争入札、その器械がある ことによって患者さんの利益あるいは安全性が高まるということもありますので、その 辺の一般競争をかけるもの、あるいは、どうしてもなければならない機能が必要な器械 というものもあるということを念頭において、購入のときに考えていかなければいけな いのかなという気がします。  それから、保守点検の金額のことが出ていましたけれども、我々臨床工学は臨床技術 提供だけではなくて、医療機器の保守点検もやります。保守点検に関していうと、今の 保守点検の中身が、医療法あるいは薬事法が改正になって、壊れてもらっては困る、信 頼性がなくなると困るということで、メーカーが細かいことをいっぱい書いて、項目数 が多岐にわたっている部分があると思います。そこら辺がまだメーカーとしても煮詰ま ってない、販売メーカー側でも煮詰まってない部分が多々あるのではないか。要するに、 過大な安全性、過大な信頼性を追求していくと、早い機会に物を交換しなければいけな いということが出てくるのではないかということがあります。  内側の医療機関側からの意見ですけれども、その3つぐらいのことを今思いました。 以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  では、諸平委員、お願いいたします。 ○諸平委員  今、お隣の目黒委員がおっしゃったんですけれども、医療法の中で医療機器の安全管 理者、管理責任者というものを医療機関は必ず置かなければいけない、院長は兼務でき ないという規定があるのを先生方はご存じだと思うんですね。そのことを目黒委員はや わらかくおっしゃっているんだと思います。院内の技術者1名が必ず医療機器に関する コントロールタワーになっていただくということが、医療法という法律で決まっている わけです。我々もその方々と一緒にやっていきたいと、業界としてもそういう考え方を しております。  その一番大きな目的というか、先ほどからお話が出ている保守点検、修理に関する問 題については、ここまできたらホスピタルフィーであれ何であれ保険点数化してもらう、 安全にはお金がかかるんだということを、この委員会で最終的なところではまとめてい ただきたい。そこから始まらないと、そのお金をだれが負担するんだと。業者が負担す るんだとか、病院が負担するんだとかいうのは本末転倒だろうと。患者さんのために安 全が必要なんだ、この安全のための費用は当然保険点数でみなければおかしいでしょう と。  この厚労省のビジョンを読んでいただくと分かるんですが、その中には、臨床工学技 士さんを有効にレベルアップして使いなさいということがはっきりうたわれています。 いいか悪いかは目黒先生に聞いていませんけれども。そういうことを含めて、最終的に この問題はそういう形で進んでいかないと二進も三進もいかないところへいっちゃうの かなと、そんなような気がしないでもありません。  それからもう1点は立会いの件です。立会いを制限することによって、それだけの人 件費が浮いてコストが安くなるんだという世論の人が片方でいるんですよ、世の中に。 特に学者の先生でも、松田先生は別にして、そういうことを論文で発表されている、卸 売業者はやらなくなるとコストが安くなるんじゃないかと。とんでもない話でして、も し手を引いて、品物だけ置いて、「あとお願いします」と言って帰ったら、すぐ電話が かかってきてまた行かなければならない、これが現実なんですね。青柳委員もおられま すので、実際にそういう問題についてどういうふうにしていったらいいのか、患者さん のためにどうしたらいいのかという視点で議論できたらと思います。  よろしくお願いいたします。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  では、由田委員、お願いいたします。 ○由田委員  歯科商工から参加させていただきました由田でございます。  私のほうは、歯科材料の製造メーカーの立場でございまして、流通ということは多少 違った観点から見ているかもしれません。今日のお話を伺っておりまして、今日は医家 向けと言ってよろしいんでしょうか、そういう感じのところがほとんどでございまして、 歯科の医療機器の話は特にございませんでした。とはいえお話を聞いていながら、歯科 でも同じような問題点あるいは傾向があるのかなという感じがしておりました。これは 今後の検討課題になるのかなと思っております。  ただ、歯科特有のものとして口腔内で使用されるものが大部分でございますので、医 家のものに比べてさらに小さなもの、小型のものということで、多品種少量生産という 傾向がございます。さらに、それらを製造しているメーカーもますます小さなところが 多いというところがあります。一方で、薬事法改正で負担だけはどんどん増えていると いうところからみますと、製造コストもある程度はいた仕方がないのかなという点もご ざいます。  今回のお話は流通の話でございますから、歯科の流通を考えた場合にちょっと気にな った点として、一つは安心・安全という目に見えないところの評価をどうするか。これ は歯科だけとは限らないかもしれません。そのほか、歯科はどちらかというと保険外診 療、自由診療といってよろしいんでしょうか、そういう部分がかなりあるという点が一 つ。それから、先生方と言いますか、使われる医療機関も個人経営の先生方が多いとい う特徴があろうかと思います。その辺のところも今後考えていく際に考慮すべき点かな と思っております。  今日私が医家の話を聞きながら感じたところはそのようなところでございます。以上 でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  では、最後に吉田委員、お願いいたします。 ○吉田委員  先ほど飯沼委員からもありましたように、我々の先輩であります医薬品の流通改善懇 談会での経験を踏まえて、具体的で現実的なアウトプットを出していくことが重要だと 思います。今回の懇談会において具体的に期待されているアウトプットは何なんだろう とずっと考えております。もちろん、事務局から冒頭ありましたような不適切な取引行 為を是正していく、これはまさに企業倫理の問題であり、コンプライアンスの問題です から、これだけの先生に集まっていただかなくても、それぞれの機関における是正は当 然最優先でやるべきことだと理解しています。  2つ目は内外価格差の問題で、先ほどの公取委からのご意見、ご指摘については、内 外価格差というのは何が原因で、どの領域、どの範囲で生れているのか。内外価格差と いうのは本当によくないことなのか、それを日本の商慣行が悪い、または医療機器にお けるサービスなり情報の質とコストのバランスが悪いのか、そのような議論をきちっと ロジカルにやっていかないと、内外価格差の問題解決は非常に難しいだろうと思います。  本当は3つ目のアウトプットだと思うのですけれども、「産業ビジョン」で言われて いるように、また「5ヶ年戦略」で言われていますように、日本の医療機器産業の国際 競争力を強化する、そのためには流通システムが一つの弱点であると認識した上で、確 かに標準コード化やIT情報の装備という意味では遅れているということ、多品種小ロ ット供給のやり方も高コスト構造を招いている、さらには2兆円市場の中にメーカー数 も流通の数も多すぎる、それによって規模のメリットが追求できていない、というよう な問題を、メーカーが、流通が、病院・診療機関がという次元でとらえずに、日本にお ける医療機器のサプライチェーンの在り方をどうやれば近代化できるのか、世界に負け ないサプライチェーンができるのかという議論をしていただきたいと個人的には思って おります。それが結果的には内外価格差の是正という問題の解決にもつながるだろうと 考えます。   ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  たくさん貴重な意見をいただきました。最後に三村委員からコメントをお願いいたし ます。 ○三村委員  今回、私は感想として3点ほど述べさせていただきます。皆様のご意見を伺いながら 感じたことでございます。  最初、この問題を提示されたときに、大変複雑でかつ問題の所在がどこにあるかよく 分からないという印象を持っていたんですが、一連のご説明を伺った中で、それでも論 点と問題の焦点はかなり明確に見えてきているのかなという感じがしています。  その第1点ですが、先ほど販売業協会さんから非常に明確な分かりやすい説明をして いただきました。医薬品と医療機器・医療材料の商品特性の違いということですが、私 なりに整理してみますと、基本的に多品種少量、需要の分散性を持ち、ハイリスクで安 全性を保証する技術と体制を要求し、かつ全体プロセスとして最終段階までマネジメン トする必要があり、サービス価値と製品価値とを複合化して提供する必要がある。これ だけ並べますと、これは最先端の商品分野です。  ということは、それに対応する流通体制、社会的仕組み、あるいはそれを支える専門 的な人材がまだそろっていないという状況の中で生じている問題であると思います。こ のように定義しますと、それに合わせた流通の仕組み、あるいはマーケティングの仕組 みの設計は不可能ではないという感じがいたします。そのときに、先ほどの松田先生の ご定義や分類は大変有効であろうと思いました。  松田先生は、プロダクトとサービス要素の融合の程度の違いで、それを説明されまし た。また、リスクの程度ということでも説明されました。それを前提にすると、医療情 報の標準化と一元化が有効であるということですが、私もそのとおりであろうと思いま す。先ほど60万種類かそれ以上商品数があると説明されましたが、それを、流通特性、 マーケティング特性、支援するサービス特性の違いという視点から分類は可能ではない かと思います。ただ、大変な作業になるかもしれませんけれども、そこはひとつの入口 になるなと感じました。  第2番目は、そのような商品分野であるということになりますと、この流通はおもし ろいと感じました。先ほど三次卸まである可能性もある、なぜ三次卸まで存在するのか という話の中で、それは支援サービスコストとリスク負担をいかにして吸収していくか、 あるいはいかに分担していくかの中で生れたということでした。そうであれば、現在の 流通の仕組みは必然的な姿かもしれない。しかし、それが持つ大きな問題は、コスト責 任が曖昧であるとか、何よりも基本的に必要な情報が正確に届かないとか、あるいは、 トレーサビリティが難しいとか、最終的な廃棄処理の問題まできちんと対応できないと いうことでありますので、なぜそういった流通が必然化されるかというところを前提と しながら、流通の仕組みを少しずつ改めていく必要があると思います。  ただ、この分野の卸の機能は医薬品卸と少し違うという感じがいたしました。医薬品 卸は、消費財の卸とは随分違った機能を持っていますが、この分野における卸の機能は さらにいくつか特殊な要素を持ち込んでいるような感じがいたします。しかし、そうは 言いつつも、商取引に関する部分は、基本的には卸の機能として行われ、それに対して 公正取引委員会から指摘されているということでありますので、取引慣行改善を進め透 明化していく努力があるべきだと思います。また、それに対して、既に改善されてきた というご発言がありましたが、どういう改善が行われたかということについて明示して いく必要があるということです。  また、卸の物流機能に関して、SPDとか物流外部化、そして多品種少量化、配送の 多頻度化という傾向が出ています。これについてもご指摘がありましたように、責任の 所在が曖昧になるとか、コスト分担が曖昧になるという問題があります。これは、現在 の卸の物流サービスにおける共通した問題であります。それぞれの立場から納得できる ような形でルールを決めていく必要があると思います。  さらに、恐らくこの懇談会の最大のテーマの一つになると感じましたのは、安全とか 安心に関する情報サービス、あるいは、アフターサービス、支援サービスの在り方をど うするかということです。松田先生の分類にありましたように、商品分野によって必要 性の程度が違うということを整理しながらやっていくしかないという感じがいたします。 ただ、ハードの部分とサービスの部分を少しずつ切り分けるとか、一体化できるサービ スの部分はここまでは含めてもいいというようなことを、ルール化できなくても、話合 いの中で相互に納得できるところが見えてくれば、この問題も整理されると思います。  最後に、先ほどのご発言の中で本当に的確なご指摘と思うのですが、今回の場合、" 立会い"というのが重要なキーワードだろうと。この立会いをどう定義するか、その必 要性とそこで発生しているコストがどういうふうに分担されているのか、立会いが患者 に対するサービスを高めているという見方もあれば、公取的な見方ではそれがやはり業 者間の取引の不透明さの原因になっているという指摘もあります。立会いについてのき ちんとした整理が、この懇談会で非常に重要であろうと感じました。  特に、それに関して、医療現場におけるマネジメントの問題のご指摘は重要と思いま した。人員の不足、あるいは経営業績が苦しい中で大変な思いをしていらっしゃること もよく理解できます。しかしそれと同時に、医療現場を支えるためにはマネジメント面 での工夫が必要であって、そこで外部業者がどこまで関与し、どこまでサポートするの が適切なのかということについても、少しずつ検討を深めていくことがいいのではない かということです。大変難しい分野ではありますが、問題点と論点は見えてきたかもし れないという感じを受けました。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  委員の先生方から一通りご意見をいただきましたが、多様性があり、しかも、ユニー クなご指摘をいただいたと思います。事務局の経済課がどうまとめられるか、なかなか 大きな課題を投げかけられたと思うんですが、重い直球をぶつけられたということで、 これからよろしくお願いしたいと思います。  委員の先生方には3分間という大変失礼な制約をお願いしましたけれども、見事に果 たしていただきまして、ありがとうございました。今日は一通りということですが、次 回からは挙手によってしたいと思います。今日は自己紹介がてらの情報収集、それに対 するご意見というふうにまとめたいと思います。  最後に、木下経済課長からこれらのコメントについて一言お願いいたします。 ○木下経済課長  本日は、長時間ご議論いただきまして、本当にありがとうございます。こうした医療 機器あるいは医療材料に関わるメーカーさん、あるいは、卸さん、販社さん、そして、 ユーザーの方々が一堂に会してやる機会というのは初めてではないかと思います。医薬 品での経験もありますが、医薬品に加えて、取引形態あるいは種類等々も含めて多種多 様でありますので、それぞれの取引について歴史のある中で、今回これをどう見て何が 問題で、あるいは、日本的に見たらこれはむしろ日本型として評価されるのかというよ うなことを、これからぜひご議論いただきながら、整理をしていきたいなと思っており ます。  9月にまとめた「新医療機器の産業ビジョン」については、ものという扱いから、技 術、ソフトの面を重視するということで、前回のビジョンに比べて大きな飛躍があった わけですが、その際にソフトの面におきましては、流通の問題が非常にウェートが高い と思います。今日のご議論の中でも、流通の問題もただ単にものをメーカーさんからユ ーザーさんに流すということだけでなくて、いわゆるサプライチェーンの中での物流、 物の流れということだけではなくて、それに附帯するいろいろなサービスの問題もあり ますし、ユーザーさんで見てみれば病院経営の問題も深く関わってきます。さらに言え ば、病院経営に関わるとなると、診療報酬でどう扱われているのかという問題もありま す。それから、国内だけの問題ではなく、内外価格差という外国との問題もありますし、 医薬事の承認の問題が本当にマッチしているのかどうか、問題はないのかどうか、いろ いろな形でのかかわりがございます。  そういったことを一つ一つ、皆様方から問題提起をいただきながら、見直すべき部分 と、それぞれの医療機器とか医療材料の特色として、性格として、これは一定の合理性 があるのでむしろきちっと実施すべきだとか、そういう幾つかの分類分けが議論の過程 でできてくると思いますので、そういった中で業界として取引慣行等々の見直しをやろ うという部分と、行政としてもきちっとそれを受け止めて、制度として何らかの対応が なければなかなか進まない分野という形で、最終的な成果を明らかにしながら、これま でもご議論がありましたように、実効性のあるものとしてまとめていただければいいか なと思っておりますので、ぜひともご協力をお願いしたいと思っております。  その間においていろいろ感じたことをデスクワークで議論をしているとイメージが湧 かない、私も知らない分野がたくさんありますので、できればモニターで、例えばこう いう形でやっているんだというのを、お互いに情報の共有化をすることによって、より リアリティのある議論ができればなと。そういう会の運営の仕方についても工夫をした いと思っておりますので、そういった面についてもご要望とかご助言をいただければあ りがたいなと思っております。  ありがとうございました。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  最後に、事務局から今後の設定についてご説明願って終りにしたいと思います。 ○樋口経済課長補佐  冒頭に検討スケジュールを説明させていただいておりますが、次回は2月上旬という ことで、公正競争規格違反事例や貸し出し基準、立会い基準について、貸し出し資材に ついて、また、SPDについてということを議題にして、具体的には座長とご相談させ ていただきながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  なお、本日の資料でございますけれども、非常に量が多うございますので、お荷物に なるかもしれません。後日郵送で結構だという方におかれまして、座席にそのまま残し ておいていただければと思います。  以上でございます。 ○嶋口座長  委員の皆様方のすばらしいご協力でほぼ時間どおりに終わったわけでございます。今 後とも続きましてよろしくお願いしたいと思います。  今日はどうもありがとうございました。 (了)